高木家 その3 |
伝統構法と耐震性能, 伝統構法について, 実験・理論 |
地震時、建物がどの位傾くかを確認します。
1次設計においては、最大変位で、約9mm。最小変位で、約4mm。
2次設計においては、最大変位で、約30mm。最小変位で、約14mm。
阪神淡路大震災以上の加速度がかかっても、3cmしか傾かない事になります。
このことは、剛性の高さを示しています。
現代の筋かい、金物を用いたつくりは、同様に剛性の高いつくりとなっています。この点においては、伝統構法も、現代の工法も同じですが、剛性を得る為のアプローチの方法が、決定的に違います。
現代の工法は、筋かい、金物に依存するのに対し、伝統構法では、木のしなりを生かして対応します。
筋かいや、金物では、1回の地震には対応できても、繰り返して元の強度を復元することは不可能です。つまり一発勝負です。これに対し、木のしなりは、何回でも復元できます。そのため、高木家のように繰り返し大きな地震にあっても、元の姿を維持することが出来ます。
伝統構法は、柔構造でありながら、剛性も備えた2段構えのつくりです。
この柱、梁、全て200年前のものです。
つづく