最大変位1/15rad |
伝統構法と耐震性能, 伝統構法について, 実験・理論 |
変形角1/150 rad(ラジアン)を超え、1/75、1/50 radまで加力していきます。
1/50まで変形させると、土壁のひび割れがはっきり見て取れるようになり、木のきしむ音もミシッ、ミシッと試験場に響きます。
昔から受け継がれてきた日本家屋の作りは、地震時の第一波は土壁が受け止め、振幅が大きくなるにしたがい、土壁は木に力を受け渡し、木の曲げ、せん断応力がその後の揺れを引き受ける2段構えのつくり。
これに対し、現代の筋違、構造用合板、を用いた耐力壁の作りは、一回の衝撃に耐えきれるかどうかで屋内の安全性が決まってしまう1段構えのつくり。
1/50radを超えた試験体は、圧倒的な安心感を持って、最大変形1/15radに向かって加力が続けられました。
試験場にはいつの間にかセンターの職員の方々が集まってこられていました。
測定器のスピーカーから変位量が読み上げられていきます。
「117.1、118.2、、、、、。」
1/15radの変位量は182mm、やく18cmといったところです。
モニターには、せん断耐力7.0KN(キロニュートン)(やく700kg)を維持したまま、試験体がずっと耐力を維持し続けている様子が見て取れます。
これが筋違や構造用合板なら、とっくに壊れている状態です。
「175.0、178.0、180.0、、、」
あともう少し、がんばれ!
試験場にいた人たちみんなおそらく、おなじ気持ちでいたと思います。
「181.0、182,0、183.0、184.0、185.0。」
おおっ!!すげー!最後まで耐力を維持したまま、頑張り抜きました。
つづく。