変形角1/150rad |
伝統構法と耐震性能, 伝統構法について, 実験・理論 |
実験の様子
国の基準にそって、変形角1/600、1/450、1/300、1/200、1/150、1/100、1/75、1/50、と徐々に変位を大きくさせていきます。
最終的には、最大荷重の80%に応力が低下するか、変形角が、1/15に達するまで加力します。
壁倍率の数値として採用されるのが、変形角1/150radの時の値で、損傷限界とされる値です。
建築において、よく耳にする壁量を満たすということは、その建物が震度3程度の揺れにあった際、建物の変形角を1/150にとどめる為にひつような耐力を満たしているということです。このことは、震度6の揺れにあった際には、建物は損傷するが、倒壊には至らないという強度となります。このときに設定される変形角は1/50radです。
言い換えると、壁量を満たした建物は、震度3の時には高さ3mの建物は2cm傾き、建物は損傷せず、震度6の時には、6cm傾き、建物は損傷するが、倒壊には至らない。これが現在、国の想定する耐震基準です。
したがって今回の実験も、国の想定に基づき、1/150の時の壁のせん断耐力を測定し、1/50まで変形させることになります。そのあとは、試験体が壊れるか、耐力が最大耐力の80%(0.8Pmax)まで低下するか、もしくは変形角が1/15になるまで加力することになります。変形角1/15radとは、高さ3mの建物が20cm傾いた状態です。
試験体に徐々に力が加えられていきます。やがて1/150まで力が加えられました。パソコンに送られてくるデータをみると3KNまでグラフがとどいているのが確認できました。
この加力を同一試験体に3回繰り返し、三つの試験体全てに一様に3KN程度の耐力が測定されれば、目標の壁倍率1.5倍は、クリアできる事になります。
つづく。