伝統構法ブログ

伝統構法って、どんな構法!?在来構法と何が違うの!?  伝統構法の今を伝えるブログ「伝統構法ブログ」

小坂建設株式会社

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高木家 その2

伝統構法と耐震性能, 伝統構法について, 実験・理論

その1からのつづき

まず軸組みからです。
土壁の部分を除いた壁は、全て差し鴨居と梁、または、鴨居と梁といったダブルラーメン構造で、伝統構法の基本的な組み方で構成されています。

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各通りの剛性を調べると、まず通りごとのバラツキが無いことがわかります。この点が、現代の間取りと決定的に違う点です。日本の本来の建築様式は、柱を碁盤の目のように配置して、空間を構成していくのが正しい手順です。

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こうやって作ることによって、自然に剛性バランスが揃い、あとでも触れますが、建物の重心と剛心のズレが小さくなり、かつ、通りごとの剛性の差が小さい為に、地震時には、建物全体が、どの方向から負荷がかかっても、一様に動くことができ、ねじれも小さく済むのです。

現代の家づくりは、間取りから考えるため、壁の線で構成していくために、最も肝心な柱の位置が、バラバラに配置されて作られます。
その為、床を硬く作り、力づくで、建物の動きを抑え込まなければならず、柱頭や、柱脚を金物で補強する必要が生じます。

「我々は、達人では無いけれど、達人の伝統を踏まえて作っているのだから、間違いない。」西岡常一棟梁の言葉です。

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つづく