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伝統構法ブログ - 伝統構法についてさらに詳しく知りたい方へ。

伝統構法と薪ストーブ

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小坂建設について

本うるし

脱衣室の手洗いカウンターです。

漆(うるし)で仕上げました。


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漆(うるし)は弁柄(べんがら)と並び日本建築に古くから使われてきた素材です。

私どもは自然素材を使うことが目的ではありません。それが目的ならば、手軽に工業製品化した自然素材を購入すれば済みます。
そうではなく、私たちは私たちの建築文化が本来そうであった作り方にこだわっています。
そうした作り方が一番信用できるからです。

激震を数回受けてもなお200年以上に渡って建ち続けている作り方は、伝統構法ただ一つのみです。

阪神大震災においても、東日本大震災においても正しい伝統構法で家が建てられていたならば、救われた命がたくさんあったはずです。

江戸時代に建てられた古民家は今も建っているものがたくさんあります。これらの建物はあと100年後も建っていることでしょう。しかし平成の時代に建てられている建物は100年後には、おそらく一件も残っていないのではないでしょうか。

なぜならば、現行の耐震基準にのっとって作られている建物は激震の際の安全性が保障されたものでもなければ、100年間の時間軸で安全性が確認されたものでもなく、激震の際に倒壊しないことを「目標」としているだけの法律だからです。

省エネも今の省エネはみんな産業製品を買って、それで省エネだと言っている。
お金をあやつり、制度を生みだし、それに人の欲が絡まり、みんなが振り回されている。

以下は、俳優の渡辺謙さんが、東日本大震災のあと世界に向けた発したスピーチの中で語った言葉の抜粋です。

*****~そんな時代に、私たちは大地震を経験したのです。それまで美しく多くの幸を恵んでくれた海は、多くの命を飲み込み、生活のすべてを流し去ってしまいました。電気は途絶え、携帯電話やインターネットもつながらず、人は行き場を失いました。そこに何が残っていたか。何も持たない人間でした。しかし人が人を救い、支え、寄り添う行為がありました。それはどんな世代や職業や地位の違いも必要なかったのです。それは私たちが持っていた「絆」という文化だったのです。

~中略~

 国は栄えて行くべきだ、経済や文明は発展していくべきだ、人は進化して行くべきだ。私たちはそうして前へ前へ進み、上を見上げて来ました。しかし度を超えた成長は無理を呼びます。日本には「足るを知る」という言葉があります。自分に必要な物を知っていると言う意味です。人間が一人生きて行く為の物質はそんなに多くないはずです。こんなに電気に頼らなくても人間は生きて行けるはずです。


今あるものを捨て、今までやって来たことを変えるのは大きな痛みと勇気が必要です。しかし、今やらなければ未来は見えて来ません。~*****


今ある制度、法律、優遇措置、すべて無かったら何を一番信じて、何を選びますか?
足るを知ったうえで、本当に大事なものは、一度全てを失った人にしか、見えてこないものなのかもしれません。

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